太陽電池ベンチャーのPXP、15億円調達、タンデム型ペロブスカイトを開発

フレキシブル(柔軟性のある)な薄膜系太陽電池の開発を手掛けるベンチャー企業であるPXP(神奈川県相模原市)は12月4日、ソフトバンクをリードインベスターとするシリーズAラウンドにおいて総額15億円の資金調達を実施したと発表した。ソフトバンクは約10億円を出資し、PXPの株式約29.9%を取得した。

 同出資には、SOLABLE(ソラブル)、興和オプトロニクス、豊田通商、J&TC Frontier(J&TC フロンティア=JFEエンジニアリングと東京センチュリーによる共同投資ビークル)、自動車ファンド、三菱HCキャピタル、横浜キャピタル、TARO Ventures(タロベンチャーズ)が参加した。各社の出資額は非公表。調達した資金は、今後の運転資金および設備投資に使用する。

 PXPが開発する次世代太陽電池は、ペロブスカイト太陽電池とカルコパイライト(黄銅鉱)系薄膜太陽電池を組み合わせたタンデム構造で、従来の結晶シリコン型太陽電池と比較して1.5倍以上のエネルギー変換効率(理論値約42%)を実現するという。また、従来の結晶シリコン型と比較して約10分の1の軽量で、フレキシブルで曲げられる特性と、衝撃や振動に対して高い耐久性を備えるため、用途に応じてさまざまな場所に設置できる。

 2026年に次世代太陽電池の製造工場を操業開始する予定。当初はボトムセルとなるカルコパイライト太陽電池を生産する。結晶シリコン型と同等程度の性能で、生産規模は年間25MWを想定する。2028年ごろにタンデム型の商用化を目指す。PXPとソフトバンクは、将来の電力需要を見据え、PXPによる次世代太陽電池を用いてソフトバンクのデータセンターを再生可能エネルギーで運用するなど、さまざまな用途で活用していく(12月18日開催・ペロブスカイト太陽電池セミナーの案内サイト) 。

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