発電事業者必見! ファーウェイ製PCSでリパワリングを

PCSの部品交換に際し、新品のPCSにそっくり取り換える発電事業者が増えつつある。この状況下、世界最大手の中国ファーウェイ(華為技術)が人気だ。同社製PCSの魅力に迫る。



 太陽光発電所の設計を変更したり、設備を交換したりして発電量の増加やO&M(管理・保守)費の低減を図るリパワリング(大掛かりな改修工事)が、発電事業者の関心を集めている。なかでも、最近多いのはPCS(パワーコンディショナ)の入れ替えである。
 というのも、PCSの部品交換は意外と費用が嵩む。新品のPCSに入れ替える方がむしろ経済的な場合もあるようだ。あるいは、PCS生産から撤退したメーカーの製品を採用している場合は、交換部品の調達に苦労しかねない。仮に今回は部品を入手できたとしても、いずれ調達できなくなる恐れがある。すでに欧州や中国では、PCSの交換による太陽光発電所のリパワリングが流行しているようだ。
 ではどのメーカーのPCSを選べばよいのか。各社様々な製品を揃え、容易には選定できないが、有力候補のひとつは、PCS出荷量で5年連続世界トップ(*)の座を獲得したファーウェイの製品だろう。同社のPCSを採用すれば、発電量の向上とO&M(管理・保守)費の削減が期待できる。

新製品続々投入へ

 現在同社が交換用として提案しているPCSは定格出力電圧380Vの50kW機のみだが、同社は2020年下期を目途に同200Vの20kW機を、21年前半には同360Vの100kW機の発売を予定している。各発電所のトランスを改造せず、元の出力やシステム電圧に応じて最適なPCSを提案していくという。
 ファーウェイ製PCSの魅力は、まず変換効率の高さだ。たとえば出力50kW機の変換効率は98.9%である。21年に発売予定の100kW機も同水準に達する見通しだ。
 さらにMPPT(最大動作点追従機能)の搭載数が多い点も見逃せない。MPPTは、ストリング内の電流と電圧の積が最大になるように自動調節する機能だ。競合他社のPCSは、3〜4ストリングに対して1つのMPPTが働くが、同社の50kW機は2ストリングを1つのMPPTが制御するため、より高い発電量が期待できる。MPPTの電圧範囲は200V〜1000Vと広い。

PID劣化回復機能に注目

 注目は、今後発売予定の20kW機と100kW機に搭載予定のPID対策機能である。PID(電圧誘起劣化)とは、太陽光パネルの発電性能が短期間で急激に低下する現象だ。太陽光パネルへの高電圧の印加により、セルとフレームの間に電位差が発生し、カバーガラスからナトリウムイオンが内部回路に侵入して出力が大幅に低下するというもので、高温・高湿の環境下で発生しやすい。稼働後にPIDが発生した場合、対象パネルの交換が最善だが、出力低下の割合によっては、メーカーの出力保証の対象外となる可能性もある。
 PIDが発生した太陽光パネルに逆バイアス電圧を印加すればある程度出力が回復するものの、通常この対策を実施する場合、別途数十万円する機器を取り付けなければならない。
 そこで、ファーウェイはPCSにこの機能を搭載する考えだ。夜間、劣化したストリングに逆バイアス電圧を印加する仕組みを構築している。現状はオプションでの提供を予定している。
 たとえリパワリングする時点ではPIDが発生していなくても、この機能を搭載しておけば万が一の備えになるだろう。

稼働5年で交換する例も

 ただし、いくら発電量の向上やO&M費用の削減が期待できても、リパワリングに要する費用が高過ぎるようでは無意味だ。この点は、同社が日本の2MWの太陽光発電所で計画中のリパワリングの試算が参考になるだろう。
 売電単価40円の適用を受けて15年に稼働したこのメガソーラーでは、発電事業者が出力500kW機を4台設置していたが、今冬に4200万円を負担し、同社の50kW機40台と交換した。その際、同社は、工事に費やした約1ヵ月で約200万円もの売電収入がなくなるが、PCSを交換しなかった場合と比較し、今後15年で約7000万円分売電収入が増え、15年間で2000万円ものO&M費用削減に繋がると試算。結果的に7年前後で投資回収を終えると推定した。この案件の場合、PCSの部品交換に要する費用は計算に入っていないため、それを加味すれば経済効果はより一層高くなる。
 いずれにせよ、PCSの交換によってどの程度の経済効果が生まれるかは、太陽光発電所の設置環境や設計が異なり、一概には言えない。興味を抱いた発電事業者は同社に問い合わせるとよいだろう。
 スマートソーラー事業部の秦文プロダクトディレクターは、「集中型PCSを採用し、高額な売電単価の適用を受けているメガソーラーであれば、PCSの交換をしないという選択はもったいないと言わざるを得ません」と強調。すでに日本の発電事業者からの引き合いは多く、同社は現在、数十MW規模の太陽光発電所を運営する複数の発電事業者と商談を重ねているという。
 最後にコロナウイルス感染症拡大の影響について、秦プロダクトディレクターは、「日本の倉庫には大量の在庫を確保していますから、供給体制は万全です。これまでと変わらず、お客様のもとへ製品をお届けいたします」と力強く語った。

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