ハローズと秋山興産(香川県丸亀市)、エナリス(東京都千代田区)は11月28日、秋山興産が開発する水上太陽光発電所2カ所の電力を、ハローズが運営する四国エリアのスーパーマーケット11店舗に供給するオフサイト型PPA(電力購入契約)を締結したと発表した。12月から運用を開始する。
同PPAの対象発電所は、香川県仲多度郡の「買地池発電所」(連系出力1750kW)と香川県丸亀市の「菰池発電所」(同747.32kW)で、ため池の水上を活用した。秋山興産にとって初めての固定価格買取制度(FIT)を利用しない太陽光発電所となる。予想年間発電量は339万1329kWh。
発電した電力および環境価値は、アグリゲーターであるエナリスおよび小売電気事業者であるエナリス子会社のエナリス・パワー・マーケティング(東京都千代田区)を通じて、ハローズ11店舗に供給する。ハローズの業態の特徴を生かし、地域で生み出した再エネを地域内で消費する「地産地消」を実現する。
年間CO2削減効果は約1448.74tで、ハローズ全排出量の1.8%相当、オフサイトPPAの対象11店舗で15%相当の削減量となる見込み。また、オフサイトPPAで不足する電力は、エナリス・パワー・マーケティングがトラッキング付非化石証書を活用した実質再エネ電力を供給し、11店舗の実質再エネ100%を実現する。契約件数は10年間。
ハローズは、中国・四国・関西エリアに展開するスーパーマーケットチェーン。2014年に同社が使用する物流センター屋上にメガソーラー(大規模太陽光発電設備)を設置したほか、2016年以降に自社82店舗・2施設にオンサイトPPAを導入している。秋山興産は、香川県内に11カ所、約14.7MW規模のFIT太陽光発電所を運営する。
また、エナリスは12月2日、国連が主導する国際イニシアティブ「24/7 Carbon Free Energy Compact(24/7 CFEコンパクト)」に加盟したと発表した。24/7 CFE Compactは時間単位で再エネ電力の供給と需要をバランスさせる「同時性」を目指す。これに対応するスキームを開発し、顧客に同時性の高い電力を供給することを目指す。
24/7 CFEは、環境証書でカーボンフリー電力を賄うのでなく、24時間365日全ての時間帯をリアルタイムで再エネ電力を使用するという考え方。2018年に米グーグル(Google)が提唱したことがきっかけとなり、2021年に24/7 CFE Compactが設立された。米連邦政府やグーグルをはじめとする米IT企業、教育機関、エネルギー会社、投資会社・金融機関など世界160以上の組織が加盟する。