南紀白浜空港で路面太陽光を実証、電動草刈り機の電源に

大林道路は、南紀白浜エアポート(和歌山県白浜町)とともに、南紀白浜空港の敷地内において、空港制限区域内では国内初の試みとなる路面太陽光発電システムの実証実験に取り組んでいる。4月12日に同施設内の保安道路に試験ヤードの構築を完了した。

 実証実験に用いる路面太陽光発電システムは、大林道路と早水電機工業(神戸市)が共同開発した「ソーラーウェイ」を採用した。輪荷重49kNに耐える太陽光パネルを組み込んだ平板ブロック「ソーラープレート」で発電して蓄電池に充電し、電動機器類に安定的に配電する。

 単結晶シリコン型太陽光パネル4枚を厚さ5mmの強化ガラス2枚に挟んだ構造で、ソーラーウェイ1枚あたりの定格出力は18W。ペロブスカイト型を樹脂で固定するタイプと比べて、樹脂の紫外線劣化や小石などによる擦削による発電効率の低下が少ないことが期待されるという。これまで福島県大熊町の役場駐車場や、大阪市の御堂筋の歩道などで実証実験を行っている。

 南紀白浜空港ではソーラーウェイを12枚設置し、南紀白浜エアポートが導入する自動電動草刈り機の電源に利用する。想定最大出力は216Wで、草刈りが必要な時期で1日平均800Wh程度の発電を見込む。着陸帯内で稼働する自動電動草刈り機2台(和同産業「MR-301」とハスクバーナーゼノア「Automower 550」)の使用電力を100%太陽光発電で賄う。実証期間は約1年間の予定。

 国土交通省が2022年12月に策定した「空港脱炭素化推進のための計画策定ガイドライン」では、再生可能エネルギーの導入を促進する取り組みのひとつに太陽光発電を挙げ「空港内の制限区域内平地のうち着陸帯IIなどにおける太陽光発電の導入について、まずは安全性及び技術開発の調査・検討し、その結果を踏まえた導入を実証した上で、さらに利用を拡大する」としている。大林道路は、実証実験で得られるデータを提供し、空港脱炭素化の促進に貢献したいとしている。

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