青森県は、12月19日に開催した有識者会議において、風力と太陽光発電所の総発電出力に応じて課税する「青森県再生可能エネルギー共生税条例(仮称)」について、条例案の骨子(課税素案)を公表した。注目されていた既存設備への課税については、対象外とした。
共生条例は、太陽光発電所2000kW以上(面積3ha程度)、風力発電所500kW以上(高さ60m程度)を対象に課税する。法定外普通税とし、課税額はゾーニングエリアごとに変える。
「保護地域」は、環境保護を最優先として再エネ事業を計画できない。「保全地域」も原則的に再エネ事業ができないが、市町村の合意を前提に再エネ事業を計画できる。「調整地域」は、保護地域と保全地域以外のエリアで、再エネを計画できる。税率は、「調整地域」では太陽光110円/kW・風力300円/kWに抑えるが、原則的に再エネを設置できない「保全地域」「保護地域」では高率課税になり太陽光410円/kW・風力1990円/kWとした。
保全地域・調整地域であっても課税対象から外れる場合は以下となる。市町村との合意形成手続きにより「共生区域」に認定された場合、国・地方公共団体などが所有する再エネ発電施設、建築物の屋根に設置する太陽光発電施設。また、共生条例施行時に所在する既存施設、環境影響評価書の公告を開始または工事計画の届出をしている開発中施設は課税対象外となる。
また同会議では、日本風力発電協会(JWPA)、太陽光発電協会(JPEA)、再生可能エネルギー長期安定電源推進協会(REASP) の事業者3団体が意見表明した。課税素案で既存施設が適用対象外となったことに感謝を示す一方、開発中事業の扱いが不十分と指摘。事業者が固定価格買取制度(FIT)、フィード・イン・プレミアム(FIP)認定を取得するまでに相当程度の費用・時間・労力を費やしていることから、FIT、FIP認定取得済み案件も適用対象外とすることを求めた。
今後は、2025年2月定例会へ条例案を提案し、可決後に総務大臣への同意に係る協議を行う。その後、総務大臣の同意から1年以内に条例を施行する計画。