環境省は、脱炭素関連の実証事業で、太陽光パネル向け氷雪付着防止シートを札幌市で実証する事業や、タンデム型ペロブスカイト太陽電池関連の開発・実証などを採択した。
令和6年度「地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業(二次公募)」によるもの。東山フイルム(名古屋市)を代表事業者とする「革新的な氷雪付着防止材料による積雪地帯における太陽光パネルの発電効率向上実証事業」など7件を採択した。9月27日に発表した。
同実証事業は、CO2排出量削減および地域活性化の同時達成、これらを通じた第六次環境基本計画に掲げる「地域循環共生圏」の構築と「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」で掲げる早期の脱炭素社会の実現に向け、将来的な気候変動対策の強化につながるCO2排出削減効果の高い技術の開発・実証を公募した。公募期間は5月24日~6月28日。
今回採択された東山フイルムの提案では、日本の国土の約51%を占める豪雪地帯での再エネ導入促進に向けて、優れた氷雪付着防止機能を持つ特殊な「Self-Lubricating Gelsシート(SLUGシート)」を開発するもの。太陽光パネルの変換効率向上を実証し、普及させることで冬季・豪雪地帯におけるCO2削減に寄与するとしている。
共同実施者として産業技術総合研究所(産総研)、公立千歳科学技術大学、防災科学技術研究所が参画する。また、札幌市が協力し、太陽光パネルが設置されている市有施設を実証の場として提供する予定。
このほかにも、「タンデム型ペロブスカイト太陽電池向け鉛安定化技術の開発・実証」(代表事業者:東芝エネルギーシステムズ)、「風力発電の発電効率向上に向けた機械学習を用いた最適制御の技術開発・実証」(豊田通商)、「岩石蓄熱プラントの技術実証および地域社会に適した大規模蓄熱エネルギーマネジメントモデルの技術開発」(東芝エネルギーシステムズ)、「高度ネットワーク社会実現に向けたデジタル駆動低歪み・高効率送信機の開発」(富士通)、「カーボンニュートラル時代の情報通信用1200V級直流給電電力変換器の開発実証」(NTTドコモ)、「レトロフィット型 鉄道車両用省エネ電気駆動システムの開発」(ジェットコネクト)の6件が採択された。