FIT初期案件のFIP転換、環境価値の直接取引を解禁へ

経済産業省は、12月24日に開催した有識者会議(電力・ガス基本政策小委員会)において、固定価格買取制度(FIT)からフィード・イン・プレミアム(FIP)に転換した案件の「非FIT再生可能エネルギー証書」の直接取引の対象を拡大する方針を示した。

 非FIT再エネ証書は、原則として小売電気事業者の高度化法義務達成の手段として制度化されたため、高度化法義務達成市場を通じて小売電気事業者が調達することが基本になっている。しかし、再エネ価値に対する需要家ニーズを背景に、一定の条件を満たす非FIT電源に対して、需要家との直接取引を認めている。

 従来、直接取引の対象となる非FIT電源は、2022年度以降に営業運転を開始した新設非FIT電源、新設フィード・イン・プレミアム(FIP)電源、FIP転換の場合、2022年度以降に営業運転を開始したFIT電源から移行したFIP電源、そして卒FIT電源、としてきた。

 非FIT再エネ証書の直接取引を開始した2022年度以降、取引量は着実に増加しており、経産省の推定では2024年度には4.6憶kWhという。直接取引を利用している需要家の業種は多岐にわたるが、特にデータセンター、不動産、自治体による利用が多い。

 加えて今回、FIT電源から移行したFIP電源については、営業運転の開始時期にかかわらず直接取引の対象とする方向を示した。発電事業者にとっては、非FIT証書の販路が拡大し、再エネ電源の維持やFIT電源のFIP移行の促進につながることが期待されるという。

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