齋藤健・経済産業大臣は8月6日、積水化学工業が開発を進めるフィルム型ペロブスカイト太陽電池および製造設備などを視察するため、同社の開発拠点を来訪した。概要説明を受けた後、製造設備や評価装置、壁面設置サンプルを見学した。
その後、加藤敬太社長を交えて今後について意見交換を行った。視察後、齋藤大臣は「いつの日か世界中でこのペロブスカイトが使われる日が来ることも夢ではない」と期待感を示した。
同社は、独自の製造技術「封止、成膜、材料、プロセス技術」により屋外耐久性10年相当を確認し、30cm幅のロール・ツー・ロール製造プロセスを構築した。同製造プロセスにより変換効率15.0%のペロブスカイト太陽電池の製造に成功している。
実用化に向けて、1m幅での製造プロセスの確立、耐久性や変換効率のさらなる向上を目指し、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)によるグリーンイノベーション(GI)基金も活用し開発を加速させている。東京都やJR西日本、NTTデータ、JERAなどの関係先と連携し、2025年の事業化を目指す。
経産省では、昨年9月11日に太田房江・経済産業副大臣も積水化学工業が開発するフィルム型ペロブスカイト太陽電池に関する意見交換のため、同社の開発拠点を来訪している。